兄弟が相続人となるケースでは、空地(更地)の相続手続きや相続税申告など、複数の対応が必要になります。特に空地は評価方法や管理・活用方針に注意が必要で、放置すると税負担が増す場合もあります。
本記事では、兄弟が空地を相続する際の基本的な知識から手続きの流れ、評価方法、登記義務や税務までを詳しく解説します。
兄弟が空地を相続するケースとは
法定相続人に兄弟が含まれる条件
相続において、被相続人に配偶者や子、父母などの直系尊属がいない場合、兄弟姉妹が法定相続人となります。このような場合、兄弟で空地を相続することになり、複数の相続人がいると遺産分割協議が必要です。
法定相続分と兄弟の相続割合
兄弟で空地を相続する場合、法定相続分は基本的に均等です。
| 兄弟の人数 | 相続割合 |
|---|---|
| 1人 | 全額 |
| 2人 | 各1/2 |
| 3人 | 各1/3 |
ただし、相続人全員の同意があれば、法定相続分と異なる割合で分割することも可能です。この際、相続税の負担にも差が出るため、税金も考慮して分け方を検討する必要があります。
空地の相続手続きの基本的な流れ
兄弟が空地を相続する際の手続きは、以下のように進めていきます。
1. 遺言書の確認
まず、被相続人が遺言書を残しているかどうかを確認します。遺言書があれば、その内容に従って空地の相続手続きを行います。遺言書がなければ、遺産分割協議を行う必要があります。
2. 相続人の確定
戸籍謄本を取得して相続人を確定します。兄弟姉妹のほかに代襲相続人(亡くなった兄弟の子など)がいる場合もあるため、丁寧な確認が必要です。
3. 財産の調査と評価
空地を含む相続財産の全体像を把握し、評価額を算定します。空地以外に不動産、預貯金、証券などが含まれる場合もあります。
4. 遺産分割協議の実施
相続人全員で遺産分割協議を行い、空地を誰が相続するか、共有にするかなどを決定します。合意内容は書面にして「遺産分割協議書」として残します。
5. 相続登記の申請
相続人が決まったら、空地の名義を変更するために法務局で相続登記を行います。2024年からは、相続を知った日から3年以内に登記することが法律で義務付けられました。
6. 相続税の申告・納税
相続財産の評価額が基礎控除額を超える場合は、相続税の申告と納税が必要です。申告期限は相続開始日から10か月以内です。
空地の相続税評価額の計算方法
空地の相続税評価は、土地の所在地や評価方法によって異なります。評価方法は主に次の2つです。
路線価方式
都市部などの地域で一般的な評価方法です。国税庁が公表する1㎡あたりの「路線価」に土地の面積をかけて評価します。
計算式:
コピーする編集する評価額=1㎡あたりの路線価×土地面積
たとえば、路線価が30万円、土地面積が300㎡であれば、評価額は9,000万円となります。
倍率方式
路線価が設定されていない地域で使われる方法です。土地の固定資産税評価額に定められた倍率をかけて算定します。
計算式:
コピーする編集する評価額=固定資産税評価額×倍率
評価方法により結果が大きく異なる場合があるため、税理士など専門家のアドバイスを受けるのが安心です。
相続税の基礎控除と課税対象になるかの判定
基礎控除の計算方法
相続税には基礎控除があり、一定額までは税金がかかりません。
基礎控除の計算式:
コピーする編集する3,000万円+(600万円×法定相続人の数)
例:
- 相続人が兄弟1人なら3,600万円
- 相続人が兄弟2人なら4,200万円
相続財産の合計がこの金額を超えなければ、申告も納税も不要です。
空地の相続税申告と期限
空地の評価額を含む相続財産が基礎控除を超える場合は、相続税の申告が必要です。
- 申告期限:相続開始を知った日の翌日から10か月以内
- 申告方法:税務署への持参・郵送・e-Tax(電子申告)
申告内容によっては専門知識が必要となるため、税理士の協力を得ることでミスや過払いを防げます。
空地の相続登記と費用の目安
登記申請に必要な書類
空地の相続登記にあたっては、以下のような書類が必要です。
- 登記申請書
- 被相続人の出生から死亡までの戸籍一式
- 相続人の戸籍謄本、印鑑証明書、住民票
- 固定資産課税明細書
- 遺産分割協議書(協議した場合)
- 相続関係説明図(任意)
登記にかかる費用
- 登録免許税:空地の固定資産税評価額 × 0.4%
- 例:評価額3,000万円 → 登録免許税12万円
- 書類取得費:数千円程度
- 司法書士報酬:10万円〜20万円(依頼する場合)
登記を怠ると将来的に売却や活用が難しくなるため、早期の手続きを心がけましょう。
空地相続の注意点と活用方法
放置によるリスク
空地をそのままにしておくと、固定資産税の負担が増えたり、雑草や不法投棄の管理責任を問われることがあります。また、将来的に共有者間でトラブルになる可能性もあるため注意が必要です。
活用方法の検討
空地を相続した後は、売却、貸付、駐車場などへの転用も検討できます。用途によっては税制優遇が適用される場合もあるため、専門家に相談の上で活用方針を決めるとよいでしょう。
まとめ
兄弟で空地を相続する場合、遺産分割協議、相続登記、相続税申告と多くの手続きを期限内に進める必要があります。特に空地は評価や管理、将来的な活用まで幅広い視点が求められます。
スムーズな相続のためには、基礎知識を持ち、必要に応じて専門家の力を借りながら、早めに準備を始めることが大切です。


