空家の相続は放棄すべきか?判断基準と注意点を解説

空家を相続するか放棄するかは、その不動産の経済的価値だけでなく、管理責任や将来的な負担も含めて慎重に検討すべき重要な決断です。

築年数が古く価値が低い空家でも、更地にして売却することで収益が出る可能性がありますが、解体費や管理費、固定資産税などの費用がかさむと赤字になることもあります。

特に地方では売却自体が難しく、所有し続けることが大きな負担になるケースも少なくありません。本記事では、空家を相続すべきか、それとも相続放棄すべきかを見極めるための具体的な判断基準と注意点について詳しく解説します。

空家の相続をするか放棄するかの基本的な判断基準

経済的メリットとデメリットを冷静に判断

空家の相続において最も重要なのは、それが経済的に「プラスになるか」「マイナスになるか」です。都市部にある空家であれば、土地の価値が高く、売却も容易なため相続するメリットは大きいでしょう。一方、地方にある空家の場合は買い手がつかず、維持費ばかりがかかるため、相続すると負担が増える可能性があります。

空家だけを放棄することはできない

相続の仕組み上、「この空家だけ放棄する」「預貯金だけ相続する」といった選択はできません。相続放棄をすれば、相続財産すべてを放棄することになり、他の財産も一切受け取れなくなります。そのため、空家の価値だけではなく、相続財産全体を見た上で判断することが求められます。

相続対象となる空家の価値を事前に把握する

不動産の売却査定を活用する

空家の相続を検討する際には、まずその不動産の市場価値を確認しましょう。不動産会社に依頼して査定を受けることで、おおよその売却価格の目安を知ることができます。ただし、査定価格は「売却できた場合の参考価格」にすぎないため、実際に売れるかどうかは別問題です。

買取査定で現実的な価格を確認する

より現実的な判断材料として、不動産会社による「買取査定」もおすすめです。これは、その会社が実際に買い取る場合の価格であり、売却できるかどうかの確実性が高い情報となります。買取査定で価格がつかない場合、その空家は市場での流通が困難であると判断されます。

空家の管理負担とリスクも考慮する

空家の維持管理には継続的な費用が発生

相続によって空家を所有すると、毎年の固定資産税に加えて、草木の手入れや建物の修繕といった管理費用がかかります。放置すれば近隣住民からの苦情や、行政からの指導を受ける可能性もあります。また、空家が老朽化すれば倒壊のリスクもあり、所有者としての責任が問われることにもなります。

空家を持ち続ける精神的な負担

売却できない空家を相続すると、将来的に自分だけでなく子や孫にも負担を残すことになります。赤字覚悟であっても、早めに売却・処分しておくことが、精神的な安定にもつながります。市場での価値が低くても、処分する手段があるならば、積極的に相続して対応するという選択も現実的です。

相続放棄の期限とその対処法

相続放棄には期限がある

空家を相続するかどうかの判断は、被相続人の死亡を知った日から原則3ヶ月以内に行う必要があります。この期間内に相続放棄の申述を家庭裁判所に提出しなければ、相続したとみなされてしまいます。

期限が過ぎても相続放棄が認められる可能性

3ヶ月を過ぎた場合でも、合理的な理由があるときには、家庭裁判所が相続放棄を受理するケースもあります。たとえば、被相続人の財産や負債の実態が分からず、判断に時間がかかったような場合などです。ただし、相続財産を処分したり、遺産分割協議に参加してしまった場合には、相続放棄はできなくなります。

相続放棄による周囲への影響を考慮する

相続放棄で発生する他者への影響

空家を相続放棄することで、個人の負担は回避できますが、債権者や家主、近隣住民に迷惑がかかるケースもあります。空家が放置されれば、防犯上の問題や景観悪化、さらには火災リスクなどの社会問題につながる恐れもあります。

処分可能な空家であれば相続も選択肢に

もし空家が市場で処分可能であるならば、相続放棄ではなく、相続して売却するという選択の方が合理的です。「自分の代で問題を終わらせたい」「子供に迷惑をかけたくない」といった考えがあるなら、多少の費用がかかっても相続後に処分してしまう方法が有効です。

まとめ

空家の相続に関しては、その不動産の価値、相続財産全体とのバランス、今後の管理責任、そして精神的な負担までを含めた総合的な判断が求められます。

また、相続放棄には期限や制限があるため、できるだけ早い段階で情報を収集し、必要に応じて専門家へ相談することが重要です。空家を相続することが将来的な負担となる場合には、早期の対応が自分自身と家族の安心につながります。