相続した空家が売れない理由と手放すための5つの対処法

相続などにより取得した空家が「売れない」「手放せない」といった問題は珍しくありません。老朽化や不便な立地、市街化調整区域に該当することが原因で買い手が見つからないことが多くあります。しかし、空家を放置すると倒壊や火災、犯罪の温床となるなど深刻なリスクがあります。

そこで、売却が難しい空家を手放すための対処法として、隣人への譲渡、空家バンクの活用、自治体への寄付、リノベーションして居住、更地にして国に引き渡す制度の利用などが挙げられます。相続した空家でお困りの方に向けて、効果的な対策を解説します。

売れない空家の主な原因とは

老朽化が進んだ空家は敬遠されやすい

相続によって取得した空家でも、建物の老朽化が進んでいると買い手が見つかりにくくなります。空家を探している人の多くは初期費用を抑えたいと考えており、大規模な修繕が必要な物件は敬遠されがちです。傾きや耐震性に問題がある空家では、さらに購入意欲が低下する傾向があります。

交通や生活利便性に乏しい立地

地方や山間部など、生活インフラが整っていない立地にある空家は、需要が限られます。特に就業先が近くにない地域では、移住を希望する人にとっても魅力的とは言えません。また、将来的に消滅の可能性がある限界集落に位置する空家は、資産価値が極めて低いため、売却が困難です。

市街化調整区域にある土地は建築制限がある

市街化調整区域にある空家は、新たに建築ができない可能性があるため、買い手にとっては大きなマイナス要素となります。改修やリフォームが可能なケースもありますが、再建築の制限は不動産としての魅力を大きく損なう要因になります。

売れない空家を手放す5つの具体策

1. 隣人に譲渡または買い取ってもらう

隣接する土地の所有者にとっては、隣地を取得することで敷地を広げるなどのメリットがあります。相場よりも価格を下げたり、更地にして渡すことで交渉が成立する可能性が高まります。なお、空家の解体には一定の費用がかかるため、自治体の補助制度などを調べておくとよいでしょう。

2. 空家バンクに登録して利用者を探す

空家バンクは、地方移住者や二地域居住希望者に向けて空家情報を発信する公的な制度です。比較的状態の良い空家や無償譲渡が可能な物件は特に注目されやすく、登録によって買い手・譲受人が見つかる可能性があります。価格設定を柔軟にすることで、早期の引き取りにもつながります。

3. 自治体や公益法人に寄付する

防災施設や公共施設の近隣にある空家であれば、自治体や公益法人に寄付できる場合があります。売却益は得られませんが、譲渡手続きが不要となり、スムーズに空家を手放すことができます。ただし、建物を解体して更地にすることが前提となるため、解体費用が必要です。

4. リノベーションして自分で住む

買い手も譲受人も見つからない空家は、自ら居住用に活用する方法も検討できます。取得費がかからない分、修繕や改修費用を抑えて住宅を手に入れることが可能です。国や自治体の補助金制度を活用すれば、リノベーション費用の一部を補助してもらえるケースもあります。

5. 更地にして「相続土地国庫帰属制度」を活用する

相続した空家を解体し、土地を国に引き渡す「相続土地国庫帰属制度」を利用する方法もあります。この制度を利用すると、管理費や固定資産税の負担から解放されます。制度を活用するには一定の条件を満たす必要があり、必ずしもすべての土地が対象になるわけではありません。

空家を放置するリスクとは

空家を売却できないまま放置することには、深刻なリスクが伴います。

  • 老朽化による倒壊・火災のリスク:倒壊によって他人の財産を破損させたり、火災の原因となる可能性があります。
  • 特定空家への指定:行政から「特定空家」と認定されると、固定資産税の軽減措置が打ち切られます。
  • 不法侵入や犯罪利用の危険性:空家は犯罪の温床になりやすく、地域全体の治安悪化を招く恐れがあります。
  • 高額な損害賠償リスク:空家の管理不備によって事故が発生した場合、数百万円〜数千万円単位の損害賠償を求められる可能性もあります。

相続した空家は早めに処分の選択を

相続した空家が売れないからといって、放置しておくのは避けるべきです。手放す方法は売却だけに限らず、譲渡、寄付、居住、制度活用など多岐にわたります。

放置することでリスクが大きくなる前に、早めに適切な手段を選び、空家問題を解消することが重要です。専門家や自治体、不動産会社に相談しながら、自身に合った方法を検討しましょう。