空地の無償譲渡にかかる税金とは?終活で失敗しない注意点

空地を終活の一環として家族に無償で譲渡する人が増えていますが、タダであげたからといって税金がかからないわけではありません。譲る側・もらう側が個人か法人かによって課税内容が異なり、贈与税や所得税、法人税、不動産取得税などが関わってきます。

本記事では、空地を無償で譲渡する際に発生する税金の種類や手続きの注意点を解説し、終活として空地を整理する際に気をつけるべきポイントを紹介します。

空地を無償譲渡するときの課税関係

個人から個人への無償譲渡

空地を個人間でタダで譲った場合、贈与された側には贈与税が発生します。譲った側には基本的に課税されませんが、不動産取得税や登録免許税といった他の税負担が発生します。

個人から法人への無償譲渡

譲った側(個人)には、譲渡による所得が発生したとみなされ、譲渡所得税・住民税が課税されます。法人側は土地の価値分を収益とみなされ、法人税の対象となります。

法人から個人への無償譲渡

この場合、法人には法人税、個人には一時所得として所得税が発生します。課税は土地の時価で行われるため、予想以上に税額が高くなることもあります。

法人間での無償譲渡

法人から法人への無償譲渡では、両者に法人税がかかります。帳簿価格との差額などによって益金認定されるため、注意が必要です。

空地をタダで譲渡するメリットとは

空地の無償譲渡には、以下のようなメリットがあります。

  • 購入費用が不要:土地代金を支払う必要がないため、取得コストが大幅に抑えられる
  • 空地の維持管理から解放される:固定資産税や除草、近隣トラブルといった手間を減らせる
  • 終活の一環として資産整理ができる:生前に土地の処分を行うことで、相続時のトラブル回避につながる

自治体によっては、空き家のリフォームや解体費用に対する補助金制度も設けられています。空地とともに空き家も譲渡される場合には、こうした制度を活用することで負担を軽減できます。

空地を無償でもらう際のデメリットと注意点

空地を無料で譲渡される場合でも、以下のようなデメリットが存在します。

税金負担が重くなることがある

贈与税や所得税、不動産取得税、登録免許税など、無償譲渡でも税金は避けられません。特に土地の評価額が高いと、その分税額も増えます。

また、税制上は「タダでもらった」としても、時価で評価され課税されるため、思った以上の出費になる可能性があります。

手続きが煩雑で自己対応が難しい

無償譲渡は売買とは異なり、不動産会社の仲介がないケースが一般的です。契約書の作成から登記変更、税務申告まで、当事者同士で進める必要があります。

  • 贈与契約書の作成
  • 登記名義の変更申請
  • 税務署への贈与税申告

これらをすべて自分で行うのは負担が大きいため、専門家に依頼するケースも多く見られます。

追加費用がかかるケースも

譲渡される空地に老朽化した建物がある場合、解体費用や撤去費用がかかることがあります。また、土地の利用目的によっては造成工事やインフラ整備費用も発生します。

終活として空地を譲渡するメリットと実務的注意点

終活の一環としての土地整理

空地は、管理が行き届かなくなるとトラブルの原因になります。例えば、以下のようなケースが考えられます。

  • 雑草や樹木が近隣に越境してしまう
  • 不法投棄や放火などのリスク
  • 将来の相続トラブルの火種になる

こうしたリスクを防ぐため、終活の一環として早期に空地を整理することは重要です。不要な資産を生前に整理することで、相続人の負担も軽減されます。

書面で契約を残しておく

口頭でも贈与契約は成立しますが、トラブル防止のために贈与契約書を作成することが望ましいです。登記申請の際には、契約書の提出を求められることもあります。

贈与契約書には、以下のような内容を明記します。

  • 贈与者・受贈者の氏名・住所
  • 贈与対象の土地の所在地・地番
  • 贈与日・契約締結日
  • 契約不適合責任を負わない旨の特約(必要に応じて)

負担付贈与のリスクと契約不適合責任

土地を譲る際に「老後の面倒を見てほしい」「ローンを肩代わりしてほしい」など、何らかの対価を条件にする場合は「負担付贈与」と呼ばれます。

この場合、贈与者は通常の贈与よりも広範囲な契約不適合責任を負うことになります。例えば、空地に重大な土壌汚染や建物の欠陥があった場合、その責任を問われる可能性があります。

契約書には「契約不適合責任を負わない」といった条文を入れておくと、将来的なトラブル回避につながります。

まとめ

空地をタダで譲渡することは、終活の一環として有効な手段ですが、税金や手続き、将来的なリスクに十分な配慮が必要です。贈与税や所得税、不動産取得税など、無償譲渡であっても避けられない負担があります。

空地の整理や譲渡を検討する際には、必ず税理士や司法書士などの専門家と相談し、正確な情報とシミュレーションのもとで進めることが重要です。終活を円滑に進めるためにも、早めに計画し、リスクを最小限に抑えることが大切です。