親が元気な今こそ話したい。「実家をどうする?」は家族を守る明るい終活

「実家のことは、まだ先でいい」

そう思っていませんか。

親御さんは元気に暮らしている。
家も今のところ問題はない。
売る予定も、施設へ入る予定もない。

だから、今すぐ考える必要はない。

実は、この「まだ大丈夫」が、将来ご家族を困らせる一番大きな原因になることがあります。

実家の問題は、家が古くなってから始まるのではありません。

家族で話せなくなったときから、一気に難しくなるのです。

目次

  1. 「実家をどうする?」が今、重要な理由
  2. 誰が話を始めればよいのか
  3. 話し合うのは、いつがよいのか
  4. どこで、何を話せばよいのか
  5. 話がまとまらないときの進め方
  6. 実家の話は、家族への贈り物になる

1.「実家をどうする?」が今、重要な理由

日本の空き家は約900万戸、住宅全体の13.8%に達しています。賃貸や売却などの目的がない空き家も約386万戸あります。どちらも過去最多です。

さらに、国土交通省の調査では、空き家を取得した理由の57.9%が相続でした。

家が空き家になったきっかけは、所有者の死亡が58.3%。相続前に何らかの準備をしていた世帯は、わずか23%です。

つまり、多くのご家庭では、

「親が亡くなった」
「家をどうするか決まっていない」
「兄弟姉妹の意見も違う」
「家の中には荷物が残ったまま」

という状態から、突然、実家の問題が始まります。

家は、置いておくだけでは止まりません。

固定資産税がかかり、草木は伸び、雨漏りや害虫の心配も出てきます。管理が不十分な状態が続けば、近隣への迷惑や建物の傷みにつながる可能性もあります。

だからこそ大切なのは、空き家になってから急いで売ることではありません。

空き家になる前に、家族の希望を整理しておくことです。

2.誰が話を始めればよいのか

実家の話は、親から言い出さなければならないわけではありません。

離れて暮らす息子さんや娘さんから、話を始めても大丈夫です。

ただし、いきなり、

「この家、売るの?」
「亡くなった後はどうするの?」
「相続はどうなっているの?」

と聞くと、親御さんは責められているように感じるかもしれません。

おすすめの言葉は、もっとやさしいものです。

「この家で、これからも安心して暮らすために、一度みんなで考えてみよう」

これなら、家を取り上げる話ではありません。

親御さんの希望を聞き、安心して暮らすための話になります。

3.話し合うのは、いつがよいのか

答えは、親御さんが元気な「今」です。

入院してから。
介護が必要になってから。
物忘れが進んでから。

その段階では、本人の希望をゆっくり聞くことが難しくなる場合があります。

元気な今なら、

「できれば住み続けたい」
「将来は小さな家に移りたい」
「この家は売っても構わない」
「家財道具は元気なうちに整理したい」

と、ご本人の言葉で話せます。

早く話すことは、家を早く手放すことではありません。

選べる未来を増やすことです。

4.どこで、何を話せばよいのか

特別な会議室は必要ありません。

実家の食卓、近所の喫茶店、お正月やお盆の家族団らんの時間でも構いません。

最初から全部を決めようとしないことが大切です。

まずは、次の内容を確認します。

・これからも実家に住み続けたいか
・住めなくなった場合、売る・貸す・残すのどれを希望するか
・家や土地に関する書類がどこにあるか
・家財道具や思い出の品をどうしたいか
・困ったときに誰へ相談するか

ここで重要なのは、結論を急がないことです。

「売るか、残すか」の二択にすると、話は重くなります。

まずは、

「親はどうしたいのか」
「子どもは何が心配なのか」

を出し合うだけで十分です。

5.話がまとまらないときの進め方

実家には、家族の思い出が詰まっています。

そのため、金額だけでは決められません。

親御さんは「子どもが使うかもしれない」と考え、子どもは「親が大切にしているから売れない」と考える。

お互いを思いやっているのに、本音を言わないため、何も決まらないことがあります。

そんなときは、次の順番で整理します。

まず、親御さんの希望を聞く。
次に、家の状態や価値を調べる。
最後に、売却・賃貸・管理・片付けなどの選択肢を比べる。

家を売ると決めていなくても、相談して構いません。

値段を知る。
修繕費を知る。
毎月の管理負担を知る。

それだけでも、家族の話し合いは大きく前へ進みます。

6.実家の話は、家族への贈り物になる

終活という言葉を聞くと、「人生の終わりを準備すること」と感じる方もいらっしゃいます。

しかし、本当の終活は違います。

これからの人生を、自分らしく安心して暮らすための準備です。

実家を残すことが正解とは限りません。
売ることだけが正解でもありません。

大切なのは、家族が困ってから決めるのではなく、親御さんの希望を聞きながら、みんなで選ぶことです。

家の話ができる。
財産の話ができる。
これからの暮らしの話ができる。

それは、家族関係が良い今だからこそできることです。

「まだ元気だから、話さなくていい」ではありません。

元気な今だからこそ、明るく話せるのです。

今日、実家へ電話するときに、こんな一言から始めてみてください。

「今度帰ったとき、これからの家のことを一緒に考えてみない?」

その一言が、将来の大きな安心につながります。

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